中小企業省力化投資補助事業は、経済産業省から発表された2024年補正予算案の中に組み込まれた省力化・省人化に係る補助制度の1つで、中小企業や小規模事業者の売上拡大と生産性向上を目指すための重要な取り組みです。この補助事業では、労働力不足に直面している中小企業に対し、省力化投資を支援することにより、企業の付加価値の増加と生産性の向上を促進し、最終的には賃金の上昇に貢献することが目的です。
この補助金の申請形式として、カタログ型が採用されており、用意されたカタログから自社の省力化に必要なツールを選定したのち導入のための補助金申請、という形になることが発表されています。現時点（※2024年4月18日時点）では、機器カテゴリが掲載された製品カタログ（こちら）が公表されており、実際に補助金申請の際に選定できる製品の掲載も徐々に進んでいます。
当記事では、現段階で公表されている製品カテゴリの中から、無人搬送車（AGV・AMR）のカテゴリについて、ツールの解説と具体例の掲載をしています。是非、製造事業者・販売事業者の登録申請や、補助金交付申請の参考にしてみてください。
中小企業省力化投資補助金自体の概要については、以下の記事をご参照ください↓
対象ツールのカテゴリ一覧※4/18時点
現時点（※4/18時点）で発表されている対象ツールのカテゴリです。詳細については製品カタログ（こちら）をご確認ください。
| 機器カテゴリ | 対象業種 | 対象業務プロセス |
| 清掃ロボット | 宿泊業、飲食サービス業 | 施設管理 |
| 配膳ロボット | 飲食サービス業、宿泊業 | 配膳・下膳 |
| 自動倉庫 | 製造業、倉庫業、卸売業、小売業 | 保管・在庫管理、入出庫 |
| 検品・仕分けシステム | 倉庫業、製造業、卸売業、小売業 | 資材調達、加工・生産、検査、検品・仕分システム 保管・在庫管理、入出庫 |
| 無人搬送車 （AGV・AMR） | 倉庫業、製造業、卸売業、小売業 | 資材調達、加工・生産、検査、保管・在庫管理、入出庫 |
| スチームコンベクションオーブン | 飲食サービス業、宿泊業、小売業（規模問わず調理が行われている場所） | 調理 |
| 券売機 | 飲食サービス業 | 注文受付 |
| 自動チェックイン機 | 宿泊業 | 受付案内、予約管理、請求・支払、顧客対応 |
| 自動精算機 | 飲食サービス業、小売業 | 請求・支払 |
無人搬送車（AGV・AMR）について
製品カタログ（こちら）の無人搬送車カテゴリに記載があった内容から抜粋して解説していきます。
| 対象業種 | 倉庫業、製造業、卸売業、小売業 |
| 対象業務プロセス | 資材調達、加工・生産、検査、保管・在庫管理、入出庫 |
製品カテゴリの概要
自動で走行する車両または台車で、もの（パレット､ケース、台車など）を移載やけん引できる機能を有し、自動で搬送が行える製品。位置の認識やルートについては、機器に組み込まれたマップ、決められた位置情報やルートに基づき、自動で移動が可能。
主に利用が想定される中小企業
製造業の工場や、倉庫業、卸売業、小売業の倉庫などで、人手によるフォークリフトや手押し台車等での搬送を行っていた事業者。
省力化効果
人手によるフォークリフトや手押し台車等での搬送から、電子的指示による自動搬送がとなるため、搬送作業の無人化が可能。重量物の運搬に関して、人間の手で行う必要が無くなり、転倒などによる事故率の低減や作業者への負担が大きく減少。また、搬送ミスの低減や作業ムラが無くなることによる処理スピードや処理精度の向上にも寄与する。さらに、物品の位置情報や移動結果等の運搬状況がリアルタイムで把握でき、搬送物の正確な管理ができる。運搬作業やその作業教育に掛かる人件費・作業者の安全対策等の備品購入費などについてのコスト削減が可能となる。
価格と導入費用（目安）
製品の規模により大きく異なるが、数百万円から一千万円程度～でも導入可能。導入先にてAGV・AMRの稼働スペースが確保されている場合は、必要な作業はおおまかな運搬ルートの指定、搬送物の似姿や重量の計測程度。
活用事例・ポイント
- 例えば、自動倉庫から出庫された商品を自動で次の工程まで運搬することが可能。搬送できるのはケースだけで無くカゴ車や棚など、使用環境やニーズによって設定可能であり往復で別のものを搬送することも可能。
- 運搬作業の指示や状況に合わせた変更をタブレット端末にて行い、すべての搬送作業を終えたら自動で充電場所まで戻る機種も。
- 人に追従して複数台の台車を効率良く運搬できる機能も。
業務プロセスの変化（例）
無人搬送車具体例
現時点（※4/18時点）で1点、無人搬送車の登録がされています。その実際の製品と併せて、4月15日時点で公表されている製品カテゴリ（こちら）を元に、補助対象となる事が予想されるツールの具体例をご紹介していきます。
登録されている製品※4/18時点
株式会社Doog
株式会社Doogから提供されている協働運搬ロボット「サウザーベーシック」です。
具体例予想
※以下の情報は、経済産業省より公表されている内容を元に推測した内容であるため、記載ツール全てが補助対象となる保証ではありません。ご了承ください。
TOYOTA L&F
➀Key Cart
| 製品名 | Key Cart |
| メーカー名 | TOYOTA L&F |
| 製品価格 | 要問合せ |
TOYOTA L&Fから提供されているシンプルAGV「Key Cart（キーカート）」。手軽に導入が可能なエントリーモデルのAGVです。
➁Tug Cart
| 製品名 | Tug Cart |
| メーカー名 | TOYOTA L&F |
| 製品価格 | 要問合せ |
TOYOTA L&Fから提供されている低床式自走式けん引車「Tug Cart（タグカート）」。低床・コンパクト・ハイパワーな自走けん引車です。
③Rinova AGF
| 製品名 | Rinova AGF |
| メーカー名 | TOYOTA L&F |
| 製品価格 | 要問合せ |
TOYOTA L&Fから提供されている自動運転タイプフォークリフト「Rinova AGF」。現場状況や作業目的に合わせて無人・有人運転が切り替えられるフォークリフトです。
株式会社ダイフク
➀ソーティングトランスビークル
| 製品名 | ソーティングトランスビークル |
| メーカー名 | 株式会社ダイフク |
| 製品価格 | 要問合せ |
株式会社ダイフクから提供されている高速仕分け台車「ソーティングトランスビークル」。自動倉庫と組み合わせて高度な複合システムを形成する高速仕分け台車です。
➁FAV
| 製品名 | FAV |
| メーカー名 | 株式会社ダイフク |
| 製品価格 | 要問合せ |
株式会社ダイフクから提供されている自動搬送システム「FAV」。横行・斜行など多彩な動きが可能な全方向移動型の無人搬送車です。
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